レポート

AIから推薦されるホテルとは?
日本初の大規模リサーチ報告

旅行発見の新時代に発見されるために

CHILLNN 調査レポート | 2026年4月

6都市 | 3つのAIモデル | 540クエリ

浅草・箱根・金沢・京都・名古屋・那覇

小林実可子
CHILLNN. Inc
日本のホテルAI推薦調査レポートのサムネイル。吹き出しと矢印のイラスト。

サマリー

旅行雑誌を買い求める。予約サイト(OTA)で検索する。Google マップと Instagram でビジュアルと口コミをみる——ホテルを探す手段は、時と共に変化してきました。そのたびに、ホテル側でも OTA マーケティング、SEO、SNS のアルゴリズム、MEO といった工夫が続いてきました。変化の激しいこの業界で今日、新たなゲームルールが生まれようとしています。それが AI 検索です。

Gemini に旅程を相談し、ChatGPT に条件を伝えて宿を絞り込み、Google AI Overview で確認する……今はまだ AI 検索によるホテルの決定は限定的かもしれませんが、この新たな行動は急激に拡大していることが明らかになっています。数年先には、旅行者は AI に自分に合ったホテルを勧めてもらい、AI が推薦しないホテルは旅行者にとって「存在しない」のと同じになる……そんな未来が来るかもしれません。

本調査は、Cloudbeds 社が2025年に行った世界的な大規模調査(Cloudbeds、2025)を先行研究とし、生成 AI がどのようにホテルを推薦するか、推薦されるホテルになるために何が必要かを日本の6都市・3つの AI モデル・540クエリで研究しました。

本研究は、ホテルの生成 AI 検索に特化した日本初の大規模調査です。AI 時代にお客様から選ばれるホテルになるために、ぜひご一読ください。

[ ハイライト ]

日本のAI対策は伸び代あり

全3プロンプトで安定して推薦されたホテルは6都市合計74施設。都市内の宿泊施設数に比べると極めて限定的。

OTAとAI検索に相関はあるが、すべてではない

OTA上位掲載施設のうち、4割がAIに一度も推薦されなかった。一方、OTA上位でなくても安定推薦された施設が13件あった。

良質な口コミ・UGCが重要

引用ソースの相当部分が、まとめ記事・トラベルブログ・口コミ・コミュニティ系のUGCだった。

※ 本調査データより

背景と目的

現在、ホテル探しにどのような変化が起きているのか?

旅行者の約3分の2がすでに AI を旅行計画に使っている

昨今、生成 AI の影響で、旅行者の行動が静かに、しかし不可逆に変わりつつあります。Booking.com が33市場・3.7万人以上に実施した大規模調査(Booking.com、2025)では、3人に2人はすでに旅行に関して AI を利用しており、65% が近い将来、自動旅行プランニングが主流になると予想しています。

日本市場においても変化は顕著です。JTB 総合研究所の定点調査では、生成 AI による情報検索は2024年の9.7%から2025年に28.8%へと約3倍に増加(JTB総合研究所、2025)。別の調査では、旅行計画で生成 AI を使ったうち84.1%がなんらかの「新しい発見があった」と回答、半数以上が AI の提案先に訪問していました(宿研、2026)。

AI によりサイト閲覧は減るが、閲覧後の予約率は上がる

この変化は、ホテル産業にとって追い風か向かい風か、どちらでしょうか。英国800社・16業界を対象とした調査(Tank/Ahrefs、2025)は衝撃的な数字を示しています。ホスピタリティ業界の月間オーガニックトラフィックの成長率は前年比6.7%減と、全業界で最大の落ち込みを記録したのです(前年は+47.9%)。

しかし別の側面も示されています。AI に引用・推薦されたコンテンツのオーガニッククリックは35%増、有料クリックは91%増(Seer Interactive、2025)。他にも、AI 経由のトラフィックは他の経路より31%高いコンバージョン率だったという結果もあります(Adobe、2026)。

すなわち、ユーザーは自分で検索するよりも AI に推薦された中から選ぶ方が調べる候補は少なくなるが、AI に推薦されたホテルはユーザーがより自分に合っていると感じるため予約につながりやすいと解釈ができます。

量は減るが、質は上がる」。AI 推薦に表示されるか否かが、ユーザーとのマッチングを実現できるかを左右する構造が生まれているのです。

日本に特化した網羅的な調査は存在しない

上記のように、海外では近年、AI ホテル推薦に関する本格的な調査が次々に公開されています。しかしこれらは米国・欧州・そして時にアジアといった混合市場を対象としています。日本固有の市場構造、例えば国内 OTA やまとめサイトの多様性、日本語クエリの特性については考慮されていないのです。

そのため我々は、Cloudbeds の調査を先行研究に、初となる日本のホテル市場に特化した体系的な AI 推薦ホテル調査を行うことにしました。

使用上の注意と限界

本レポートで提示している AI のレコメンデーション傾向は、特定の時期に実施した観測データに基づき限られた分析手法に基づいたものであり、一つの視点として捉えていただくのが適切です。得られた結果は相関関係を示すにとどまり、AI の特性上、直接的な因果関係を証明するものではない点にご留意ください。

AI 技術は日々急速にアップデートされているため、今回の知見はあくまで「今の記録」であり、将来の振る舞いを予測するものではありません。レコメンデーションのパターンは、対象の業界や地域、質問の仕方、時期によっても流動的に変化することを前提としています。

調査手法

ステップ1:対象都市と AI モデルの選定

異なる特性を持つ6つの多様な旅行目的地が選択されました。

対象都市 特性
浅草(東京) 都市・文化・和モダン観光
箱根(神奈川) 温泉・自然・リゾート型観光
金沢(石川) 伝統文化・歴史・食観光
京都(京都) 歴史・カルチャー・インバウンド観光
名古屋(愛知) ビジネス・都市型観光
那覇(沖縄) リゾート・ビーチ・南国観光

分析対象 AI モデル(これら3つのプラットフォームが日本の主要 AI トラフィックの大部分を占めると判断しました)。

モデル(提供元) 概要
ChatGPT(OpenAI) 世界最大シェアの AI チャットボット
Gemini(Google) チャット型 AI アシスタント
Google AI Overview(Google) Google 検索エンジンに統合された AI 回答

ステップ2:プロンプト設計

一般的なホテル検索を目的とするプロンプトを、3つの異なる自然な表現で設定しました。

プロンプト 種別 プロンプト内容(例:浅草)
P1 汎用おすすめ 「浅草のおすすめホテルトップ5を推薦してください」
P2 旅行プラン 「1泊2日の浅草旅行で泊まるのに良いホテルを教えて」
P3 条件指定 「浅草で、[日付]に、1人3万円以下で2名で泊まれるレビュー星4以上のホテル」

ステップ3:大規模クエリの実行

Peec AI を使用して、精度と一貫性を確保するために10日間に分けて計540のクエリが実行されました。各アウトプットはホテルのメンション(回答ごと上位5つまで)、引用 URL について分析されました。このデータは2026年3〜4月に収集されました。

ステップ4:OTA 対照群との突き合わせ

じゃらん・楽天トラベル・一休.com・Booking.com・Google マップのエリア別検索結果上位30施設(おすすめ・関連度順ソート)を調べ(以後、OTA◎タイプと呼びます)、ステップ3で得られた AI 推薦ホテルリスト(以後、AI◎タイプ)と比較しました。これにより、AI 推薦と OTA 上位掲載に相関があるかを確認できます。

また Cloudbeds 社の先行研究には対照群が設定されておらず、AI 推薦されるホテルの特徴をとらえるには限界があると考えました。そのため、AI◎タイプの特徴を集計するだけでなく、OTA 掲載上位でかつ AI に安定して推薦された施設(以後、AI◎OTA◎)と、OTA 掲載上位ではないが AI に安定して推薦された施設(以後、AI◎OTA△)を比較しました。

以上の分類をまとめたのが下記の表です。

AI推薦タイプ定義本調査との関連
AI◎3種類のプロンプトすべてで1回以上推薦調査で使用
AI◎OTA◎1つ以上の OTA で30位以内表示かつ3プロンプト全てで推薦調査で使用
AI◎OTA△5種類すべての OTA に不在/低順位だが3プロンプト全てで推薦調査で使用
AI△1,2種類のプロンプトで1回以上推薦
AI△OTA◎1つ以上の OTA で30位以内表示だが特定プロンプトのみで推薦
AI△OTA△5種類すべての OTA に不在/低順位だが特定プロンプトでは推薦
AI×AI×OTA◎1つ以上の OTA で30位以内表示だが AI 推薦ゼロ

※ AI…3プロンプト全てで推薦:◎ / 1,2種類のプロンプトで1回以上推薦:△ / AI 推薦ゼロ:×

※ OTA…1つ以上のサイトでエリア検索の上位30位以内: / そうではない:△

ステップ5:引用分析

各 AI レスポンスから収集した1,694ユニーク URL について、「Citation rate(AI が引用した頻度)」を算出しました。それらをカテゴリ別・ドメイン別に集計し、傾向を先行研究と比較しました。

結果

[1] ホテル調査

結果1-① AI 推薦ホテルの全体像(6都市)

363施設の OTA 上位掲載ホテルが、AI に一度も推薦されなかった

OTA 上位30位以内でも AI にまったく推薦されないホテルが、調査した OTA 上位ホテル全体の5割を占める結果になりました。OTA マーケティングに投資していても AI に推薦されるとは限らないという結果です。

AI 回答から取得されたホテルを、タイプ別に集計したところ下記の結果となりました。

AI推薦タイプ定義件数
AI◎3種類のプロンプトすべてで1回以上推薦74(8.5%)
AI◎OTA◎1つ以上の OTA で30位以内表示かつ3プロンプト全てで推薦61
AI◎OTA△5種類すべての OTA に不在/低順位だが3プロンプト全てで推薦13
AI△1,2種類のプロンプトで1回以上推薦432(49.4%)
AI△OTA◎1つ以上の OTA で30位以内表示だが特定プロンプトのみで推薦296
AI△OTA△5種類すべての OTA に不在/低順位だが特定プロンプトでは推薦136
AI×AI×OTA◎1つ以上の OTA で30位以内表示だが AI 推薦ゼロ363(41.5%)
合計(6エリア5サイトの OTA30位以内+AI検索のみ登場したホテル)869(100%)

全プロンプトで安定して AI 推薦される「AI◎」タイプは登場ホテル全体のわずか8.5%。逆に、OTA 上位にも関わらず一度も推薦されなかった「AI×OTA◎」は登場ホテル全体の4割を占め、特定のホテルのみに AI 推薦が偏っていることがわかります。

一方で、1〜2個のプロンプトでのみ推薦されるホテルも432件存在し、プロンプトによって推薦傾向が変わることも判明しました。

OTA◎タイプのホテルに限定した場合、下記のグラフのように約半分がAI推薦されないという結果になりました。

OTA上位30位以内ランクインホテル(AI◎)のAI推薦度内訳
OTA上位30位以内ランクインホテル(AI◎)のAI推薦度内訳AI×OTA◎50.4%AI△OTA◎41.1%AI◎OTA◎8.5%

※構成比は参考図に合わせた値(AI×OTA◎ 50.4%、AI△OTA◎ 41.1%、AI◎OTA◎ 8.5%)。登場ホテル869件全体の型別シェアとは母集団が異なります。件数・全体シェアは本文・表を参照してください。

備考:6エリア5サイトの OTA30位以内の総数は717件。

結果1-② 「AI◎」タイプの特徴

AI に安定して推薦されるホテルは多様なオンラインプレゼンスを持っていた

すべての施設が自社サイトと Instagram アカウントを保有し、主要な海外 OTA・日系 OTA に90%以上の確率で掲載。国内編集メディアへの掲載率が高く、海外口コミサイトでの言及率はそれほど高くない。

3プロンプトすべてで AI 推薦された「AI◎」ホテル74件のオンラインプレゼンス(OTAやまとめサイトなどオンラインサービス上への露出)を確認しました。

その結果、Cloudbeds の先行研究と同じく、AI◎のうちの多くのホテルが、多様なプラットフォームに掲載され、レビューを獲得していることが明らかになりました。これは自社サイトと特定の OTA にだけ注力するのではなく、複数のプラットフォームや SNS、YouTube など含めてホテルのブランドを戦略的に構築していく必要があることを示唆します。

ただし、海外の口コミサイトである Reddit は掲載割合が Cloudbeds の先行研究(95%)よりも大幅に低く、対して国内の編集メディアや国内 OTA への掲載割合が顕著に高いという本調査独自の結果も出ました。

掲載サイト 掲載割合(%) 掲載サイト 掲載割合(%)
自社サイトを保有 100 楽天トラベルに掲載 99
Tripadvisorに掲載 99 じゃらんに掲載 97
Booking.comに掲載 93 一休に掲載 93
YouTubeで紹介 99 Instagramにアカウント保有 100
icottoで紹介 93 expediaに掲載 97
redditで言及 61 JTBに掲載 96

AI に安定して推薦されるホテルは予約/口コミサイトの評価が高い

主要な海外/日系 OTA・口コミサイトでの評価が高い。レビュー数は150〜2062とばらつきがある(OTA の性質にも依存)。

AI◎のホテルは、先行研究と同様、主要な外資・日系 OTA や口コミサイトで85点(換算)以上の高いゲスト評価を獲得していました。

ただし、AI に推薦されるホテルは大量のレビューを得ていたと指摘した Cloudbeds の先行研究と比較すると、本調査の平均レビュー数は150〜2062件と、口コミの数がさほど多くなくても AI 推薦は起こることを示唆する結果となりました。実際に、じゃらんや一休上では「口コミ数が少ないためスコア非表示」の施設も、AI に推薦されていました(スコア表示施設数に記載)。

OTA・口コミサイト 平均スコア 平均レビュー数 スコア表示施設数(/74)
Tripadvisor 4.3/5「とても良い」 608 73
Booking.com 8.9/10「すばらしい」 2032 69
Expedia 9.2/10「すばらしい」 948 72
Google マップ 4.4/5(定義なし) 2062 74
楽天トラベル 4.5/5「満足」 1529 72
じゃらん 4.3/5「満足」 1586 64
一休 4.42/5「満足」 150 64

結果1-③ 比較分析 — 「AI◎OTA◎」 vs 「AI◎OTA△」

OTA 上位かつ AI にも安定して掲載される「AI◎OTA◎」ホテルは、OTA を含むマーケティングにコストを割ける施設だと予想されます。一方で、OTA 上位ではないものの AI に安定して推薦される「AI◎OTA△」ホテルも13件存在し、AI に推薦されるためには必ずしも OTA 投資が必須ではない可能性が示唆されます。

OTA 掲載上位に入れなくても AI に推薦されやすい施設の特徴を調べるため、それら2タイプの共通点と相違点を比較しました。 ※ AI◎OTA△の数が13件と少ないため、あくまでも参考結果となります。

海外含む UGC や OTA でのレビュースコアの強化でオンラインプレゼンスを上げると、OTA 掲載上位でなくても AI 推薦される可能性が上がる

3種類のプロンプトすべてで登場している OTA◎と OTA△の2群の共通点として、オンラインプレゼンス(インターネット上での露出)がさほど変わらないことがわかりました。AI に推薦されるためには一定以上のオンラインプレゼンスが必要です。

AI◎OTA◎(n=61) AI◎OTA△(n=13)
オンラインプレゼンス 平均 94% 91%

備考:12のwebサイトにおける掲載割合を集計。

相違点として、掲載・言及されている媒体に差がありました。

  • OTA△は UGC での言及率が高く、特に海外のオンライン口コミサービス Reddit で顕著(△>◎)
  • OTA△は大手 OTA への掲載率が低く、特に旅行代理店 JTB の非掲載率が顕著(△<◎)

この結果からは、第三者の口コミ創出や管理に力を入れることで、大手旅行代理店・OTA に割けるリソースが限られていても AI 推薦されやすくなる可能性が示唆されます。

フットプリント差分(△-◎)[pt]
フットプリント差分(△-◎)pt差分(pt)-30-20-1001020Reddit言及10.2楽天掲載1.6YouTube紹介1.6tripadvisor掲載1.6Instagram0自社Webサイト0booking掲載-1.1じゃらん掲載-6.1expedia掲載-6.1一休掲載-10.5icotto紹介-10.5JTB掲載-23.1

※ 縦軸は AI◎OTA△ と AI◎OTA◎ のオンラインプレゼンス(フットプリント)差分(△−◎)。横軸は pt。

レビュースコアを比較すると、全体的に OTA△のほうが OTA◎より少ない結果でした。ただし口コミスコアはほぼ同等であり、数は少なくとも良質な口コミを貯める必要性が示唆されます。

平均口コミ数:AI◎OTA◎ vs AI◎OTA△
AI◎OTA◎(n=61)AI◎OTA△(n=13)
平均口コミ数:AI◎OTA◎ vs AI◎OTA△平均口コミ数(件)0500100015002000250021841489Google Map629510TripAdvisor21711370Booking.com8581398Expedia1646941楽天16421129じゃらん146182一休
平均レビュースコア:AI◎OTA◎ vs AI◎OTA△
AI◎OTA◎(n=61)AI◎OTA△(n=13)
平均レビュースコア:AI◎OTA◎ vs AI◎OTA△平均レビュースコア02468104.334.41Google Map4.294.38TripAdvisor8.848.98Booking.com9.218.87Expedia4.484.52楽天4.514.33じゃらん4.414.49一休

[2] 引用調査

すべてのクエリ結果に対して AI が参照/引用した URL を収集し、引用上位のドメインを集計しました。また、すべてのクエリにおける引用 URL を、URL 単位でカテゴリ分類しました。

結果2-① Citation rate(引用率)上位10ドメイン

上位3ドメインはグローバル OTA(tripadvisor.com、booking.com、expedia.co.jp)。一方で4位以下には国内サイトが並ぶ結果に。

6都市すべてで1回以上引用された全 URL のうち、引用率上位3位のドメインはグローバル OTA・口コミサイト(tripadvisor.com、booking.com、expedia.co.jp)で、先行研究と完全に一致しました。

一方で4位〜10位には国内 OTA や旅行会社、格付けメディアも含まれ日本ならではの特徴が表れました。

順位 ドメイン ドメイン(先行研究) カテゴリ 引用シェア(%)
1 tripadvisor.com Tripadvisor UGC(グローバル) 4.94
2 booking.com Booking.com OTA(グローバル) 3.48
3 expedia.co.jp Expedia OTA(グローバル) 3.19
4 jalan.net Hotels.com OTA(国内) 2.72
5 tripadvisor.jp Hostelworld UGC(国内) 2.65
6 youtube.com 動画UGC 2.63
7 ikyu.com OTA(国内) 2.38
8 trip.com OTA(グローバル) 2.16
9 jtb.co.jp 旅行代理店 2.09
10 my-best.com 格付けメディア 2.09

結果2-② 引用カテゴリの構成比(日本版 vs 先行研究)

日本では海外に比べて、OTA の影響度が低く、代わりに編集メディアや UGC・口コミサイトの影響が高い。また公式サイト引用率が非常に低い。

Cloudbeds 先行研究では引用 URL として OTA が55.3%を占めるのに対し、日本版では22.1%にとどまりました。その分、編集メディア(17.8%)や UGC・口コミサイト(13.8%)など、OTA 以外のソースが占める割合が相対的に高くなりました。

さらに、本調査では HP 公式サイトが0.24%とほとんど引用されず、先行研究の13.6%と乖離がありました。

順位 引用カテゴリ 引用割合(%) 引用割合(先行研究)
1 OTA(booking.comなど) 22.1 55.3 booking.com / expedia.co.jp / jalan.net
2 編集メディア 17.8 19.2(ブログ) planjapansmart.com / icotto.jp / hikemasterjapan.com
3 UGC・口コミサイト 13.8 7.2(※コミュニティ/フォーラム+youtube) youtube.com / 4travel.jp / tripadvisor.com / tripfolio.jp
4 比較サイト 7.6 記載なし my-best.com / budgetyourtrip.com / livejapan.com
rank外 ホテル公式サイト 0.24 13.6 keihanhotels-resorts.co.jp / hyatt.com / hnkanazawa.jp
引用カテゴリ:日本(本調査)と Cloudbeds 先行研究の比較

本調査

OTA
22.1
編集メディア
17.8
UGC・口コミ
13.8
比較サイト
7.6
公式サイト
0.24

先行研究(Cloudbeds)

OTA
55.3
ブログ等
19.2
コミュニティ等
7.2
公式サイト
13.6

※ カテゴリ定義は先行研究と完全には一致しません。

得られた示唆

この調査から得られるホテルの AI 対応にまつわる3つの示唆を提案します。

示唆① 日本の AIO 対策には伸び代があり早期から取り組む価値がある

  • 363施設の OTA 上位掲載ホテルが AI に一度も推薦されなかった
  • 一方で、OTA 上位掲載でなくても安定して AI に推薦されるホテルが13施設

AI は、OTA 上の順位だけではなく、編集メディアや口コミサイトといった異なる評価軸も持ってユーザーにホテルを推薦していることがわかりました。そのため、OTA だけにマーケティングコストをかけていては、将来的には AI から・すなわち旅行者から選ばれなくなる可能性があります。また現状 AIO 対策ができているホテルはわずかで、早期から取り組む価値があります。

示唆② 多様なオンラインプレゼンスと良質な口コミが必要

OTA上位ではないがAIに推薦されるホテル(AI◎OTA△)を、OTA上位でAIにも推薦されるホテル(AI◎OTA◎)と比較すると

  • オンラインプレゼンスとレビュースコアは同傾向
  • OTAの口コミ数は少ない
  • 海外口コミサイト(reddit)掲載率が高い

OTA 掲載上位ではないが AI に推薦されやすい施設の特徴として、OTA に限らず多様なサイトで露出があり、良質な口コミが得られることがありました。特に OTA マーケティングにリソースを割きづらい施設は、tripadvisorやredditを含む国内外の口コミ管理に力を入れることが推奨されます。

示唆③ 施設の魅力を「第三者の声」で語ってもらうことが重要

  • OTA と公式サイトの引用率は海外の先行研究の半分以下
  • その分、編集メディア・UGC が引用される(国内サイトを含む)

先行研究と異なり、日本においては、AI はホテルの公式サイトや OTA よりも第三者が書いたコンテンツを優先的に引用する傾向が明らかになりました。そのため少なくとも現在は、AI からホテルの個性や魅力を理解され、推薦されやすくするには、旅行メディアやまとめ記事を通して施設の魅力を発信することが重要だと考えられます。

ホテル経営者へのアクション提案

アクション 優先度 即効性
ゲストからレビューサイトで口コミを投稿してもらい、返信・管理で質を上げる
まとめ記事への掲載を戦略的に求める
TripAdvisor を中心に、OTA の情報を充実させる
公式 HP の AI 可視性を高める

まとめ

調査の結果、Cloudbeds 社の先行研究と日本市場では興味深い共通点と相違点があることが明らかになりました。少なくとも現在の日本では、「編集メディアや口コミサイトに AI に読んでもらうコンテンツを増やすこと」が主な戦略になると考えられますが、AI 推薦はまだまだ伸び代のフィールドで、今後の流れを注視する必要があります。

また、今回の汎用クエリ調査で見えてきた構造は、あくまで入口に過ぎません。私たちは、現実のユーザーはより具体的な問い(例えば、「思い出に残る記念日旅行のために淡路島で2人で10万円以下で泊まれるホテルを探して」など)を AI に投げかけるだろうという仮説を持っています。

そのニーズに応える施設として AI に発見されるためには、施設自身のオリジナルな訴求軸を明確に持ち、それを AI が読める形で・読める場所に置いておく必要があるでしょう(こちらについては、現在追加調査を進めています)。

数年後の AI ホテル検索のポジションを獲得するために、今から始められることは数多くあります。

終わりに

CHILLNN AIO Lab では、今後も調査を続けるとともに、世界各地でのホテル AI 検索リサーチの紹介や宿目線での解釈を続けていきます。

CHILLNN AIO Lab による AIO 対策にご関心のある方は、ぜひご連絡や SNS のフォローなどをいただければ幸いです!

FAQ — よくある質問

Q

ホテルが AI 検索で表示されるにはどうすればよいですか?

本調査の結果から、生成 AI に安定して推薦されるホテルにはいくつかの共通点があります。例えば、TripAdvisor をはじめとする予約サイトや口コミプラットフォームでのレビュースコアが高いこと。また、旅行メディアやブログによる第三者コンテンツが豊富に存在することなどです。まずは、自施設が「どこにどんな情報が存在するか」の棚卸しから始めることをおすすめします。

Q

OTA に掲載していないと AI 推薦には選ばれませんか?

本調査では、OTA に非掲載/掲載順位が低いにもかかわらず1つ以上のプロンプトで AI に推薦された施設が149施設存在しました。OTA への掲載自体というよりも、OTA を含む第三者コンテンツでどれだけ露出されているか・魅力が紹介されているか(旅行メディアへの掲載・口コミ対応・SNS 言及)が AI 推薦に影響すると考えられます。

Q

YouTube や SNS に投稿すれば AI に引用されますか?

本調査では、YouTube の引用率は全ドメインにおいて6位と高い順位であり、効果はあると考えられます。ただし AI はテキストでユーザーに推薦をするため、SNS・動画投稿の効果を高めるために、動画の概要欄・字幕・テキスト記事との連動が重要です。また、宿泊者など第三者による発信を促す施策のほうが AI 推薦には効果的です。

Q

「ホテルの AIO 対策」と「SEO 対策」は別々に行う必要がありますか?

Google AI Overview 引用の97%が Google の上位20位以内にすでにランクインしているページから発生しているという調査結果([Semrush、2025](https://www.semrush.com/blog/ai-mode-comparison-study/))があります。つまり従来の SEO 基盤の上に AIO 最適化を積み重ねる形が現実的です。ただし、AI 最適化特有の要件(FAQ 形式・構造化データ・第三者権威コンテンツ)は SEO とは独立した投資として考えることが長期的には効果的です。

Q

独立系の旅館・小規模ホテルでも AI 対策は意味がありますか?

海外の調査([Hotelrank.ai、2026](https://hotelrank.ai/research/ai-hotel-landscape-2026))によれば、ラグジュアリーセグメントでは独立系が58.4%の推薦シェアを獲得しています。また私たちはニッチなプロンプトになるほど独立系・小規模でユニークな施設が AI 推薦されるという仮説を持っており、今後調査をすすめてまいります。

Q

なぜ日本では海外と違って海外OTAと公式サイトが引用されないのですか?

仮説として、例えば「海外OTAの掲載情報がインバウンド向けで内容が限られておりAIに引用しにくい」「公式サイトが構造化されておらず、AIが読みにくい」といった可能性もあります。裏を返せば、それらの改善により、AI引用の結果は変わるかもしれません。また、AIに参照されることと引用されることは別物であり、AIがOTAのデータを使いつつも「こんなところが特徴です」といったユーザーへの推薦文には日本語の編集メディアやUGCを引用している可能性も考えられます。

用語集

AIO や プロンプト、 引用率 などの用語は、別記事 【保存版】おさえておきたいAIO用語集21選 を参照してください。

参考文献

Cloudbeds — The signals behind hotel AI recommendations(2025年) https://www.cloudbeds.com/articles/hotel-ai-recommendations/

Booking.com — The Global AI Sentiment Report(2025年7月)

https://news.booking.com/bookingcom-releases-the-global-ai-sentiment-report/

JTB総合研究所 — スマートフォンの利用と旅行消費に関する調査(2025年12月)

https://www.tourism.jp/tourism-database/survey/2025/12/smartphone-2025/

宿研 — 旅行計画での生成AI活用実態(2026年2月)

https://www.yadoken.net/archives/column/generative-ai-travel-planning-survey-2026

Tank/Ahrefs — The Google AI Search Shift Report(2025年10月)

https://tank.co.uk/the-google-ai-search-shift-report

Seer Interactive — AIO Impact on Google CTR(2025年9月)

https://www.seerinteractive.com/insights/aio-impact-on-google-ctr-september-2025-update

Adobe Blog — AI経由のトラフィックが全業界で急増(2026年)

https://blog.adobe.com/jp/publish/2026/01/16/ex-adobe-survey-ai-driven-traffic-surges-across-industries

Semrush — How Google's AI Mode Compares to Traditional Search and Other LLMs(2025年7月)

https://www.semrush.com/blog/ai-mode-comparison-study/

Hotelrank.ai — How AI Recommends Hotels: 2026 Index(2026年1月)

https://hotelrank.ai/research/ai-hotel-landscape-2026


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