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AIに選ばれる動画・SNSとは?100URLの実態調査

AIはどんなSNS・動画をホテルを勧める根拠にしているのか

CHILLNN 調査レポート | 2026年6月

6エリア | 600クエリ | 引用URL 100件

浅草・箱根・金沢・京都・名古屋・那覇

小林実可子
CHILLNN. Inc
AIに選ばれる動画・SNS 100URL実態調査レポートのサムネイル(暫定)。

[ サマリー ]

AIに「おすすめのホテルを教えて」と訊いたとき、YouTubeやInstagramのURLが出てきたことはあるでしょうか。実際に先日の2つの自社調査(CHILLNN AIO LAB, 2026; CHILLNN AIO LAB, 2026-2)でも、合計100件の動画・SNSのURLが表示されました。では、AIはどんなSNS・動画をホテルを勧める根拠にしているのか。それを調べるために、国内6エリアで合計600クエリを実行して引用されたURL 100件を個別に分析しました。

[ ハイライト ]

AIが引用するSNS・動画の4割は個人旅行系YouTuberのコンテンツ
地域やホテル・OTAの公式アカウントは20%強にとどまる

フォロワー1万〜5万の中規模アカウントがボリュームゾーン
ただしnoteはフォロワー数が少なくても引用対象になる

クエリタイプ(汎用/ニッチ)で最適な戦略が変わる
汎用クエリにはYouTube短尺まとめ、ニッチクエリには情報密度の高いInstagram・noteが有効

背景・目的

動画・SNSによるマーケティングは宿泊施設の経営者・マーケターにとって長年の課題ですが、そこに新たな視点を加えているのがAI検索の台頭です。

ChatGPTやGeminiをはじめとする生成AIの利用が増えるなか、AIが回答の根拠としてSNS・動画コンテンツを引用するのを見たことのある方は多いと思います。CHILLNN AIO Labのこれまでの調査でも、おすすめの宿泊施設を問うクエリへの回答においてSNS・動画コンテンツが一定数引用されていることが確認されていました。

では、AI推薦で引用されるコンテンツとはどんなものなのでしょうか。本レポートでは、AIのホテル推薦で引用されたSNS・動画URL 100件を個別に分析し、プラットフォーム・アカウント規模・コンテンツ種別ごとの引用傾向を調査しました。動画・SNS戦略の優先順位付けに迷うマーケターや経営者に向けて、AI時代における実践的な指針を提示することを目指します。

調査・分析

peec AIを用いて、国内主要6エリア(浅草・箱根・金沢・京都・名古屋・那覇)を対象に宿検索のクエリを実行し、引用されたSNS・動画URLを収集しました。

プロンプトは「◯◯エリアのホテルTOP5を教えて」のような一般的な「汎用クエリ」と、「◯◯エリアでパートナーとの記念日旅行に良いこだわったホテルを教えて」のような個別具体的な「ニッチクエリ」の2カテゴリで実施し(※)、合計600クエリ(汎用450・ニッチ150)から抽出された100件のURLを分析対象としました。

(※)詳細は先行研究をご参照ください(CHILLNN AIO LAB, 2026; CHILLNN AIO LAB, 2026-2)。

各URLについて、以下の項目を調査・分類しました。

  • 対象プラットフォーム:YouTube / Instagram / TikTok / note / X(Twitter)
  • アカウント名・フォロワー数
  • コンテンツの再生数・いいね数
  • 投稿者の国籍(日本語 / 海外)
  • アカウント種別:個人旅行系YouTuber・旅行会社OTA公式・ホテル観光地公式・個人Instagram投稿・TikTokインフルエンサー・個人note/PR記事・X(Twitter)・その他

調査概要

項目 汎用クエリ ニッチクエリ 合計
クエリ数 450 150 600
引用URL数 84 16 100
引用率 18.7% 10.7% 16.7%
対象エリア数 6 5

なお、汎用・ニッチでクエリ数に3倍の差があるため、汎用vsニッチの比較は参考情報として位置づけます。

調査の限界と留意点

本レポートで提示するAIのレコメンデーション傾向は、特定の期間(2026年4月27日〜5月7日)に実施した観測データに基づくものであり、一つの視点として捉えていただくことが適切です。得られた結果は相関関係を示すにとどまり、直接的な因果関係を証明するものではありません。

また、本調査の結果の解釈はAIの回答パターンから推察したものであり、AIの内部処理を直接観察したものではありません。AI技術は日々急速にアップデートされているため、今回の知見はあくまでも現在の記録となります。レコメンデーションのパターンは対象の業界や地域・質問の仕方・時期によっても流動的に変化するため、将来の振る舞いを予測するものではない点にご留意ください。

結果

プラットフォーム別の構成

YouTubeが65%と最多。次いで、Instagram(16%)、note(10%)、TikTok(6%)が続きます。また日本語コンテンツが全体の96%を占め、海外コンテンツは英語2件にとどまりました。

引用された動画・SNSのプラットフォーム別構成YouTube 65%、Instagram 16%、note 10%、TikTok 6%、その他 2%、X(Twitter) 1%。合計100件。100YouTube65%Instagram16%note10%TikTok6%その他2%X(Twitter)1%

なおクエリ別でみると、汎用クエリ(例:◯◯エリアのホテルTOP5を教えて)ではYouTube一強なのに対して、ニッチクエリ(例:◯◯エリアでパートナーとの記念日旅行に良いこだわったホテルを教えて)ではInstagramが並び、傾向が異なります。

プラットフォーム別の構成(件)汎用・ニッチ別の引用件数。YouTube 65(汎用59・ニッチ6)、Instagram 16(10・6)、note 10(6・4)、TikTok 6(6・0)、X(Twitter) 1、その他 2。プラットフォーム別の構成(件)引用件数(件)ニッチ汎用クエリYouTube65Instagram16note10TikTok6X(Twitter)1その他2

アカウント種別の内訳

個人旅行系YouTuberが全体の約4割を占め、最多カテゴリでした。ついで、旅行会社・OTA公式(15%)、ホテル・観光地公式(12%)、個人note/PR記事、個人Instagram投稿(それぞれ10%)が続きます。

引用URLのアカウント種別(件)個人旅行系YouTuber 42(汎用38・ニッチ4)、旅行会社・OTA公式 15、ホテル・観光地公式 12、個人Instagram投稿 10、個人note・PR記事 10、TikTokインフルエンサー 6、その他 4。引用URLのアカウント種別(件)引用件数(件)ニッチ汎用クエリ個人旅行系YouTuber42旅行会社・OTA公式15ホテル・観光地公式12個人Instagram投稿10個人note・PR記事10TikTokインフルエンサー6その他(地元・企業)4

なお汎用クエリでは、特定のアカウントが複数エリアにわたって繰り返し引用される傾向が確認されました。たとえば「旅行コンサル「タイガ&まよ」」(7.2万フォロワー)は9エリアで引用、「JR東海ツアーズ」(9.2万フォロワー)は7回引用されるなどです。こうしたアカウントは、「エリア×まとめ型」のおすすめ動画(長尺&ショート動画)を数多く展開しているという共通点がありました。また動画タイトルが「◯◯エリアのおすすめホテル◯選」「おすすめTOP5のホテルを教えて」というクエリに対して答えのかたちになっている、具体的体験を述べている点でもAIが引用しやすい可能性があります。

フォロワー規模の分布

フォロワー数が判明した74件について分布を確認すると、1万〜5万フォロワーが39%とボリュームゾーンを形成していました。1000〜1万が19%で続き、10万超の大型アカウントは全体の15%にとどまりました。

※一般的には、YouTubeのチャンネルは大半が登録者数1000人以下であり、登録者が増えるほどアカウント数は減少し、チャンネル登録者1万人以上のアカウントは5%程度と言われています。

引用アカウントのフォロワー規模(件)フォロワー規模別の引用件数。1万〜5万が最多の29件。〜999が8、1,000〜9,999が14、5万〜10万が12、10万〜30万が8、30万〜が3。引用アカウントのフォロワー規模(件)引用件数(件)ニッチ汎用クエリ〜99981,000〜9,9991410,000〜49,9992950,000〜99,99912100,000〜299,9998300,000〜3

ただしnoteは例外で、引用されたアカウントのフォロワー数は5〜1,688と小規模でした。note記事に関しては、クエリと適合した内容であればフォロワー数に限らず引用されるようです。また、ニッチクエリは汎用クエリと比べて大規模アカウントの引用割合が低く、マイクロインフルエンサー等の割合が高い傾向がありました。

ショート動画の引用

YouTube/Instagram/TikTokはショート動画の配信プラットフォームとしても知られています。動画・SNS全体を母数としてショート動画の引用率を調べたところ、汎用クエリでは引用の41%がショート動画なのに対し、ニッチでは7%以下にとどまることが分かりました。

ニッチクエリではキャプションが長文で書かれたInstagram投稿やショートではないYouTube動画、ニッチなニーズにかなうnote(例:「ぐりぐらママ@家族で一度は行きたいスポット巡り」46フォロワー)が目立つ結果でした。

得られた示唆

示唆①:AI引用の主役は公式アカウントではなく、個人旅行系YouTuber

引用100件のうち、個人旅行系YouTuberが約4割を占めた一方、ホテル・観光地公式アカウントはわずか12%にとどまりました。公式SNSを丁寧に運用しても、AIOの観点では第三者による個人コンテンツには及ばないのが現状です。自施設の発信強化と並行して、施設に関心を持つ個人クリエイターへのPRや招待泊に予算を振り向けることが、AI引用増加への近道です。

示唆②:チャンネル登録者1万〜5万の中堅アカウントが引用のボリュームゾーン

引用されたアカウントのフォロワー・チャンネル登録者数の分布を見ると、1万〜5万が39%と最大のボリュームゾーンを形成し、10万超の大型アカウントは15%にとどまりました。費用の高い超大型インフルエンサーよりも、複数エリアのまとめ動画を継続制作している旅行チャンネルへのアプローチが効果的です。ただしニッチクエリに関しては、特定ニーズに詳しいマイクロインフルエンサーの詳細な宿泊レポートが引用される傾向があります。

示唆③:noteはフォロワー数に関わらずAIに引用される

今回の調査でnoteは全引用の10%を占めましたが、特筆すべきはフォロワー5人という極小アカウントでさえ引用されたケースが確認された点です。これはnoteの引用判断がフォロワー数ではなく「クエリとの内容適合度」に依存することを示唆しています。「記念日向けのこだわりホテル」「子連れでも楽しめるホテル」といったニッチなテーマで書かれた記事は、特にニッチクエリへの対応策として有望です。

示唆④:狙うクエリによって、最適なプラットフォームとフォーマットが変わる

汎用クエリ(例:◯◯エリアのホテルTOP5を教えて)ではYouTubeが引用の65%を占め、さらにその41%がショート動画でした。一方、ニッチクエリ(例:◯◯エリアでパートナーとの記念日旅行に良いこだわったホテルを教えて)ではInstagramとnoteの存在感が増し、ショート動画の割合は7%以下に激減します。汎用クエリを狙うなら「エリア×まとめ型のYouTubeショート」、ニッチクエリを狙うなら「特定ニーズ×深掘り型のInstagram・note」にリソースを集中させるべきです。

ホテル経営者は何をすべきか

  1. フォロワー1000〜5万の個人旅行系YouTuberへのアプローチを始める: AI引用の中心は、大型インフルエンサーよりも中規模の個人旅行系YouTuberです。複数エリアのまとめ動画を継続的に制作しているチャンネルに絞って、招待泊や取材対応の形でアプローチしてみてください。
  2. noteでの発信依頼を低コストで試す: noteはフォロワー5人という極小アカウントでもAIに引用されたケースが確認されています。特に「記念日に使えるおしゃれなホテル5選」「子連れで行きたい○○の旅館」のようなニッチな特定ニーズに応えた記事は、ニッチクエリの引用に強い傾向があります。スタッフによるブログ開設や、宿泊ゲストへのnote投稿の依頼を検討してみてください。
  3. 自施設のポジションを確認し、狙うクエリを絞る: 「箱根 おすすめホテル」のような汎用クエリを狙うのか、「記念日に使えるインテリアにこだわったホテル」のようなニッチクエリを狙うのか。それによって依頼すべきインフルエンサー規模も、チャンネルや動画の尺も異なります。打ち手を明確にするために、自施設がどんなプロンプトで表示されたいかを判断することが、何よりも最初にすべきことです。

FAQ — よくある質問

Q

フォロワーが少なくてもAIに引用されることはありますか?

あります。今回の調査では、5フォロワーのnoteアカウントが引用対象になったケースが確認されています。またYouTubeやInstagramではフォロワー500以上から引用対象になっていました。ですが、規模よりもまず「狙うクエリに合った内容で作成してもらえるか」に注意することが重要です。

Q

ホテルの公式SNSを頑張れば、AIに引用されますか?

公式アカウントだけでは限界があります。今回の調査でホテル・観光地公式アカウントが引用されたのは全体の12%にとどまり、個人発信コンテンツの約5分の1にすぎません。AI引用の主体は第三者の個人コンテンツであるため、公式発信の強化と並行して個人旅行系YouTuberやInstagramer、noteへの露出を増やす戦略が求められます。

Q

TikTokへの投資は宿泊業のAI対策として有効ですか?

現時点では限定的です。TikTokが引用されたのは全体の6%で、YouTubeの65%と大きな差があります。ただし汎用クエリではショート動画全体が引用の約40%を占めており、YouTubeショートやInstagramリールと組み合わせてショート動画フォーマット全体を強化する意義はあります。

終わりに

CHILLNN AIO Labでは、今後も調査を続けるとともに、世界各地でのホテルAI検索リサーチの紹介や宿目線での解釈を続けていきます。CHILLNN AIO LabによるAIO対策にご関心のある方は、ぜひご連絡やSNSのフォローなどをいただければ幸いです。

引用文献

  • CHILLNN AIO Lab:AIから推薦されるホテルとは?日本初の大規模リサーチ報告 (2026年) — aio.chillnn.com
  • CHILLNN AIO Lab:AIは"こだわり"をどう読むか?ニッチクエリで変わるホテル推薦 (2026年) — aio.chillnn.com

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